鴨鍋スタイル

家で鴨鍋

鴨鍋に合うだしの取り方

鴨鍋のスタイルにもよりますが、最も適しているのは昆布だしではないかと思っています。昆布とかつおぶしを組み合わせることで一番だしに代表される極めてリッチなだしをとることが可能ですが、そもそも鴨肉からとてもいい旨味が出ますので、わざわざイノシン酸をドーピングしないほうがよさそうです。鴨南蛮蕎麦とかならアリかもしれませんが。

昆布からいいだしを取るのはとても簡単です。

  1. 水出し法
    密閉容器に水と昆布を入れ、冷蔵庫で一晩置いておくだけです。非常に繊細なだしに仕上がります。
  2. 煮出し法
    鍋に水と昆布を入れ、30分程度置いておきます。中火にかけ、昆布に小さな泡が出てきた後、沸騰直前で取り出します。煮過ぎるとぬめりや色が出てしまいます。

いずれにしても、昆布は決して水でじゃぶじゃぶ洗ったりせず、軽くペーパーやふきんで拭く程度がよいようです。昆布の表面についている白い粉こそが旨味成分の本体だそうですので。

拙宅では主に、手っ取り早く煮出しで昆布だしをとっています。真昆布や利尻の根昆布を使うことが多いですが、基本的には近所の乾物屋で適当に選んだものです。

ところで、かの北大路魯山人先生は『だしの取り方』というそのまんまなタイトルの著作の中で、"昆布は熱湯の中にさっと通すだけ"がいいと述べています。熱湯くぐらせただけで極上のだしがとれるなんて、一体どれだけ高級な昆布が使われていたのでしょうか。

この本は青空文庫になっているので、無料でダウンロードできます。